軟質ポリウレタンフォーム

Flexible polyurethane foam

よくある質問

Q & A

軟質ポリウレタンフォームの燃焼性と防火・消火について(引火・ 発火防止と消火法、注意事項など)

  • 軟質ポリウレタンフォームの引火点および発火点は何度ですか?

    一般に有機材料の引火点は230〜390℃、発火点は230〜530℃位です。軟質ポリウレタンフォーム(一例の測定値としての非難燃一般軟質フォーム)の引火点は288℃、発火点は456℃であり、木綿、新聞紙、松材等の天然材料や、アクリル・ナイロン等の合成衣料用繊維、ポリエチレン・ポリ塩化ビニル、ポリスチレンフォーム等のプラスチック製品とほぼ同域を示します。従って、これらと同様に、着火源無しで自然に発火するものではありません。

  • 低燃焼性・難燃性ポリウレタンフォームとはどのようなものですか?

    軟質ポリウレタンフォームは他のプラスチックと同様に有機物ですから本質的には燃えます(消防法の指定可燃物に分類されます)。低燃焼性・難燃性ポリウレタンフォームといわれるものはいろいろな方法を使って燃えにくくしたもので、一般に次の性質があります。
    (1)火が着きにくい
    (2)火が着いても燃え拡がりにくい(燃焼速度が遅い)
    (3)マッチのような小さな火源(炎)を取り去ると、炎が自然に消える。
    すなわち、低燃焼性・難燃性ポリウレタンフォームといわれるものは用途に応じた燃焼試験を行い、低燃焼性・難燃性と判断されたポリウレタンフォームであることを意味しており、試験の種類によってその評価方法は異なります。

  • 凸レンズを使って太陽の集中光線を軟質ポリウレタンフォームにあてるとフォームは燃えますか?

    燃える危険性があります。軟質ポリウレタンフォームに太陽の集中光線を当てると数秒で煙が出てきます。ポリウレタンフォームは蓄熱性があり、長時間連続して集中光線を当てていれば燃え出す危険性があります。子供がこのような遊び(いたずら)をしていたら直ちに止めさせて下さい。

  • コタツの下敷用として軟質ポリウレタンフォームの製品を使用しても、火災の危険性はないですか?

    軟質ポリウレタンフォームの製品をコタツの下敷用として使用する場合、正常な使い方をしていただければ火災の危険性はありません。(軟質ポリウレタンフォームの常用温度は一般的には約70℃までです。)ただし、ヒーター上に直接かぶせたり、接触させることは避けて下さい。

  • 温水パイプのパイプカバーとして軟質ポリウレタンフォームを使う場合、火災に危険性はありませんか?

    温水の温度は普通100℃を超えることはなく、その温度は軟質ポリウレタンフォームの発火温度よりはるかに低い温度ですから、燃え出す危険性はありません。しかしこのような状況下で軟質ポリウレタンフォームを長期間使用している場合は、劣化の恐れがありますので、蒸気配管のカバーとしては使用しないで下さい。温度が50〜60℃以下の温水配管のパイプカバーとして使用することを推奨いたします。

  • 軟質ポリウレタンフォームにたまる静電気により軟質ポリウレタンフォームが発火することはないでしょうか?

    軟質ポリウレタンフォームは電気伝導性が低く摩擦により容易に静電気がたまりますが、静電気のエネルギーは非常に小さいのでフォームを発火させる可能性は少ないです。しかし、軟質ポリウレタンフォームを、可燃性溶剤を含む接着剤で接着作業をする場合には、溶剤の蒸気が静電気の火花により引火し、これがフォームに燃え移ることもありますので、このような作業には注意が必要です。
    引火防止のためには、接着剤には水系のものや難燃性溶剤系を使用し、またシンナー、ガソリン、ベンジン、アルコール等の低引火点溶剤を液体または蒸気でフォームに染み込ませたり、近接させることは避ける(作業所内の可燃性溶剤の蒸気濃度を下げる)、加湿等による静電気発生抑制や除電をするなどの対策が必要です。

  • 軟質ポリウレタンフォームに火がついた場合、どのように処置したらよいですか?

    消火には水が最も効果的なので、フォームの火災には直ちに大量の水をかけて下さい。もちろん初期消火の時点では粉末消火器などを使用することも効果的です。ただし、この場合内部に火種が残っていることもありますので、その後大量の水をかけておいて下さい。なお、発生した煙で火点を見失わないように注意すると同時に、煙にまかれないように注意して下さい。また、軟質ポリウレタンフォームを大量に使っている場合、火がついた際には直ちに消防署に連絡して下さい。

  • 他に軟質ポリウレタンフォームを取り扱う上で、特に注意を要する事は何ですか?

    燃えやすい油類等が沁み込んだ軟質ポリウレタンフォームは稀に低い温度でも発煙、発火に至る危険性があるので水等をかけ、温めない様に注意して下さい。これは軟質ポリウレタンフォームに限った現象でなく布類、綿類でも起き、空気と接触しやすい環境では沁み込んだ油類が自動酸化し内部温度が上昇して先ず油類が発煙、発火する為と言われています。食用油でごみが焦げる事故と同じ現象です。建築資材の切断・溶接の際に発生する火花が軟質ポリウレタンフォームに引火する事例もありますので、工事の際には近くにフォームが無い事を充分に確認して下さい。